幼児期から児童期にかけての晴れの日と言えば、入園・入学式または七五三。今年2024年に七五三を迎えるお子様がいらっしゃるご家庭では、衣装や記念写真、お詣りをどうしようか…と計画中かもしれません。七五三は、七五三詣とも言われ、寺社に参拝して子供の無事の成長を祈願する行事。それゆえ、お詣りは重要な要素ですが、いつ行くのが良いのでしょうか?ここでは2024年(令和6年)の暦を考慮に入れ、七五三のお詣りに行く時期についてご紹介したいと思います。
目次
七五三の正式な時期はいつ?
七五三の由来や起源は、平安や鎌倉の時代に宮中や公家で行われていた、子供が無事に成長することを祈る儀式にあると言われています。七五三を迎えた子供は、特別な晴れ着を身にまとい、地域の氏神様にお詣りに行きます。これが七五三詣(しちごさんもうで)と呼ばれる昔からのならわしで、氏神様に対して、子供が無事に成長したことの感謝を伝え、これからも健やかに成長することを祈願します。
一般的には、七五三詣は11月15日
七五三は、11月15日に寺社にお詣りに行き、お祝いすることが昔からの風習とされています。なぜ11月15日なのか…その由来や理由については諸説あるので、興味がある方は調べてみると面白いと思いますが、11月15日であるべき、という確固たる根拠があるわけではありません。絶対的なルールは存在しないため、日取りを気にし過ぎる必要はないと言えます。
例えば、南北に長い日本では10月下旬頃に初雪が見られる地域もあります。そういった寒冷地では、降雪・積雪のせいで足元が悪く移動しにくかったり、着物が濡れたりするリスクがあるため、気候の良い時期に前倒しでお詣りを行うケースが見られます。また11月15日は祝日ではないので、お仕事のある方の場合は、ご自身の休暇とお詣りの時期を合わせるというケースが多いようです。
とは言え、11月15日に近い10月、11月が七五三のハイシーズンであることは間違いなく、この時期の寺社は七五三詣に来たたくさんのお子様とご家族で大変混雑します。そのため、ご祈祷の順番待ちで拘束時間が長時間にわたったり、待ち時間中にお子様が眠くなったり、機嫌が悪くなったり…といったケースも十分考えられます。そこで、こういった混雑による影響やリスク発生を避けるため、ハイシーズンを外してお詣りをする方もいらっしゃいます。
また、お詣りにはご家族の同伴とサポートが不可欠な年齢とは言え、七五三の主役はお子様本人。七五三のお詣りを楽しい経験や良い想い出にしてもらうには、体力面や精神面の成長や体調も考慮する必要があるでしょう。ですので、11月15日という日取りにあまりこだわり過ぎることなく、ご家族の皆さまにとってベストな時期にお詣りをされると良いでしょう。
2024年の11月15日のお日柄は?
日本では行事を執り行う日時を決めるのに、六曜や六輝と言われる暦注を参考にするケースがたびたび見られます。暦注で示されるのは日時の吉凶や禁忌などで、その内容によって、「お日柄」の良し悪しが判断されます。「結婚式は大安に」「お葬式は友引を避けて」などと言われるのも、この暦注によるもので、特に冠婚葬祭といった儀式行事の場合に、その傾向が強く見られます。そのため、子供の晴れの日の行事である七五三のお詣りも、お日柄の良い日が選ばれる傾向にあります。
では、2024年(令和6年)の11月15日(金)はどんなお日柄なのでしょうか。調べてみると2024年は、「赤口」となっています。(※日本において、六曜は公的に管理されているものではありません。そのため、暦の本やサイトなどによっては情報が異なる場合があることをご了承ください。)赤口は、決して良いとは言い難いお日柄です。一般的には、慶事を行うのは避けた方が良いと考えられています。また、曜日で見てみると金曜日にあたります。平日なので勤務日という方が多いでしょう。また土曜・日曜の週末が近いので、そちらに日程をずらす方も多そうです。これらを考慮すると、2024年の11月15日のお詣りはあまり混雑しないのではないかと推測されます。なお、前日の11月14日(木)は最もお日柄が良いとされる大安です。古くからのしきたりを気にされる場合は、前日にお詣りされる方が多いかも知れません。
なお、11月に限定してお日柄を見てみると、11月2日(土)と11月8日(金)、11月14日(木)、11月20日(水)、11月26日(火)が大安です。お日柄の良さと週末の休日が重なることを考えると、11月2日(土)はかなり多くの方が参拝に行かれるのではないかと思われます。
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七五三のお詣りの日取りはどう決める?
先述したように、日本では冠婚葬祭のような特別な儀式行事の日取りを決めるのに、六曜または六輝と言われる暦注が目安にされやすい傾向にあります。祖父母様の世代では、気にされる方が多いかも知れません。また、日本は南北に長い地理のため、全く同じ日であっても気候が大きく異なります。当然、過ごしやすさも異なるため、居住地域の気候を踏まえて日取りを考えるパターンもあるでしょう。加えて、七五三詣は11月15日という風習があるため、どうしても10月〜11月は寺社への参拝者が集中します。そのため、人混みを避け、余裕を持ってお詣りができるよう、ハイシーズンではない時期にズラすというパターンもあるでしょう。何を優先するかはご家庭によって異なると思いますので、お詣りに行かれる皆様とよく相談してお決めください。
お日柄の吉凶を考慮して決める場合
日取りを決める際の目安にされる六曜は、14世紀ごろに中国から日本に伝わってきたものと言われています。もともとは時刻や日の吉凶を占うものだったようです。それが日本で変化し、明治時代以降にその日の運勢や吉凶、禁忌などを表すものとして定着していったようです。
六曜では、その月の1日から末日までが「大安」「友引」「先勝」「先負」「赤口」「仏滅」の6種類に、決まった順番で割り当てられます。その点では、一週間の「曜日」と同じようなものとも言えます。基本的には、先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の順番で繰り返すのですが、時には大安の次がまた大安、という場合があります。これは、旧暦の各月1日が六曜のどの日になるのかがあらかじめ決められているからです。例えば、1月1日と7月1日は「先勝」。2月1日と8月1日は「友引」。3月1日と9月1日は「先負」と決まっています。これによって順番が強制的にリセットされるため、不規則な順番になる場合があるのです。
なお、「大安」「赤口」「先勝」「友引」「先負」「仏滅」はそれぞれに意味があり、縁起の良し悪しや禁忌の内容が異なります。七五三のお詣りをするのに向いているかどうかは、この内容が影響します。
大安
「大いにやすし」という意味合いで、1日を通してやってはいけないことが何もなく、何事においても吉とされる日です。六曜の中では、最も縁起の良い日とされます。午前や午後など時間帯によって凶ということもないため、結婚式や開業・開店、建築の着工といった慶事に好まれるお日柄です。とても幸運な日とされるので、七五三のお祝いにも向いていると言えるでしょう。
友引
もともとは「共に引き分け」=勝負がつかない日とされていたようですが、現在では「友を引く」という意味合いで、結婚式や入籍などの慶事は良いものの、お葬式などの弔事はNGとされるお日柄です。朝と夕は吉、昼は凶とされており、慶事においては大安に次ぐ吉日にあたります。そのため、七五三のお祝いの日に選ぶ方も多い日です。
先勝
「先んずれば即ち勝つ」という意味合いがあり、なるべく先回りして行動することが吉と考えられます。そのため、午前は吉であるものの、午後は凶となるお日柄です。なお、六曜の午前中は14時までとされているので、七五三のお祝いは午前中〜14時までにするのが良いということになります。
先負
「先んずれば即ち負ける」という意味合いがあり、急いで何かを行うのは凶と考えられます。先勝の逆のパターンで、午前中は凶、午後は吉となりますが、できるだけ平静を保ち、大切なことをするのは避けるのが吉とされるお日柄です。六曜では14時以降が午後とみなされるので、もし何かを行う場合は14時以降の方がベター。七五三のお祝いをするのであれば14時以降で検討するのが良いということになります。
赤口
午の刻と言われる11時~13時あたりのみ吉で、他の時間帯はすべて凶。六曜の中では、凶日とみなされることが多く、何もしない方が無難とされるお日柄です。特に、慶事を行うのは避けた方が良いと考えられているので、子供の晴れの日である七五三のお祝いに向くとは言いづらいですが、もしこの日を選ぶのであれば正午前後に済ませると良いということになります。
仏滅
「尊い仏をも滅ぼす」という意味合いがあり、時間帯に関係なく一日中凶のお日柄です。六曜の中で最も縁起が悪い日と考えられています。何をするにも不向きで、良い結果が望めないとされる日で、特に慶事は避けられます。七五三のお祝いも、別の日で検討される方が良いと言えるでしょう。
ここまで六曜の意味や内容についてご紹介してきたものの、これらに根拠はありません。どちらかと言えば占いに近く、当たるも八卦、当たらぬも八卦。その正誤に信憑性の高さはありません。六曜はカレンダーに広く使われてきたものの、公的に管理されているものではなく、言わば「迷信」のようなものです。また、その解釈もさまざまあり、暦の本や専門家などによって異なる部分があります。信じるか信じないかは自由ですし、その解釈も人によって、時代によって変わっていきます。最近では、いちばんの凶日とされる仏滅を「滅びることで新たなスタートが切れる」とポジティブに捉える解釈も見られます。ですので、お詣りの日取りはご家庭ごとの方針でお決めいただいて全く問題ありません。
住んでいる地域の気候を考慮して決める場合
一般的に七五三詣の時期は11月とされますが、その前後1ヶ月を含む10月から12月の間にお詣りの日取りを決めると仮定して、その時期の日本国内の気候を見てみましょう。まず10月上旬ですが、この時期は秋雨前線の影響で雨の日が多く、東日本では梅雨期より多い雨量になることがあります。また、台風が接近すると大雨が降るケースもあり、雨天に悩まされる時期と言えるかも知れません。10月中旬頃になると、高気圧に覆われてカラッと晴れる日が増えます。地域によっては日中、汗ばむような気温の日もありますが、朝晩はグッと冷え込むようになります。そして10月下旬〜11月になると霜が降りる程の気候になり、北日本などの寒冷地では初雪が降るなど、寒さが本格的になってきます。平野部か山間部か、環境的な要因などで差が見られますが、10月から12月にかけては各地で紅葉が進み、鮮やかに色づいた風景が見られます。
雨天や寒さの中でのお詣りは、雨や雪で衣装が濡れたり、移動の際の足元が悪くなったり、お子様にとってもご家族にとっても負担が大きいと言えるでしょう。また、寺社の境内や御祈祷が行われる場所は、すべて暖房設備が整っているとは限りません。寒さの中で長時間過ごすことになれば、身体が冷え、風邪をひいたりするケースも考えられます。日取りを決める際は、こういった気候の特徴に留意すると良いでしょう。
もし、お詣りと合わせて屋外でのロケーションフォトを予定されている場合は、参拝される寺社の紅葉がどんな状況になるかを考慮に入れても良いかもしれません。背景にきれいな紅葉の様子が入ると季節感が感じられますし、何といっても映える写真になるでしょう。
参拝者の混雑状況を考慮して決める場合
七五三詣は11月15日という昔からの風習があるため、お詣りは10月〜11月に集中しがちです。中でも、土日・祝日といった休日やお日柄が良いとされる大安日は、その他の日比べると参拝者が増加します。有名な寺社ともなると、境内も駐車場も大変な混雑状態になります。そのため、御祈祷の順番まで長時間にわたり待つことになったり、近くの駐車場に車が停められず、寺社まで長い道のりを歩くことになったり、境内で子供の晴れ着姿を撮りたいのに、見ず知らずの参拝者が大勢映り込むことになったり…、「こんなはずでは…」と思うような事態にもなりかねません。そのような中では、お子様も退屈したり疲れたりしやすくなるでしょう。
まわりの人や時間を気にすることなく、穏やかな気持ちでお詣りをしたい方は、混雑を避けて日取りを決められると良いでしょう。お仕事の都合がつくようであれば、平日にするという選択肢もありますし、お日柄にこだわりがないようであれば、あえて仏滅などの避けられがちな日にするという選択肢もあります。こういった日であれば、比較的人が少なく、混雑に巻き込まれずゆったりとお詣りができるのではないでしょうか。
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2024年でお詣りが混み合いそうな日は?
一般的に七五三は10月〜11月がお詣りのピーク時期にあたりますが、ここでは12月まで含めた3ヶ月間を対象に、お日柄の良し悪しを表す六曜と、休日・祝日の並びを考慮に入れて、2024年の混み具合を予測してみたいと思います。
10月で混み合いそうな日は…
10月のうち、週末の休日や祝日と大安が重なるのは10月5日(土)の1日だけです。また、大安に次ぐ吉日とされる友引は、スポーツの日で祝日となる10月14日(月)、10月20日(日)、10月26日(土)があります。一般的な七五三詣の時期が11月15日だと考えると10月5日は早めに感じるものの、お日柄を気にされる方の参拝は、この日に集中するかも知れません。
11月で混み合いそうな日は…
11月も休日・祝日と大安が重なるのは11月2日(土)の1日しかありません。一般的な七五三詣も11月であることを考えると、この日は参拝者が多く、混み合いそうです。しかも、続く11月3日(日)が文化の日、4日(月)がその振替休日となるため三連休となります。祖父母様など遠方からお越しになる方がいる場合、お日柄の良さも相まって人気の日取りになることが予測されます。また、11月17日(日)と勤労感謝の日で祝日になる11月23日(木)は友引です。友引は大安に次ぐ吉日とされるため、この2日も参拝者が多いのではないでしょうか。
12月で混み合いそうな日は…
12月は1日(日)と7日(土)が大安と休日がかぶる日です。また、大安に次ぐ吉日とされる友引で休日とかぶるのは、12月22日(日)と28日(土)です。ですが、師走は何かと忙しく、年末が近づくほど慌ただしいため、お詣りに行かれるとすれば1日(日)と7日(土)に集中するのではないでしょうか。
最後に
例年、七五三のお詣りシーズンの境内は参拝者で大変混み合います。有名な寺社ともなれば長蛇の列で、その風景を目にしただけで途方に暮れるかも知れません。
七五三詣が、子供の健やかな成長を祈願する行事ということを考えると、きちんと参拝しておきたい…と思うのが親心ですが、お子様の年齢によっては、普段の服装とは異なる晴れ着、はじめて体験する神社や御祈祷の儀式など、疲れや不安、戸惑いも多いと思います。場合によっては、機嫌が悪くなったり、泣き出したりするケースもあるかも知れません。七五三の主役はお子様本人です。そのご本人にとって良い想い出になることがいちばんと言えかと思いますので、お子様の体力や体調を最優先して、あまり格式張らずにお詣りに臨まれてください。
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