卒業式に列席すると先生の袴姿を見かけることがあります。凜として潔い印象の袴姿からは、大切な生徒の門出を祝福する気持ちが強く伝わってきます。先生が卒業式で袴を着るときにはどのようなことに注意していけば良いのでしょうか。その選び方のヒントをご紹介します。
先生らしい品のある袴スタイルが好印象
卒業式の主役はあくまで卒業する生徒たち。見送る側の先生方は生徒達よりも目立たないよう、派手さを控えた品のある装いが好印象を与えます。
袴に合わせる着物は、色無地や訪問着が無難です。小振袖は色無地や訪問着と比べると華やかな印象ですが、和装の格やTPOを重視される方が多く列席されることを考えると、避けておいた方が良いかも知れません。選び方で大切なのは職場の規律や風習に合わせること。卒業式にふさわしいとされる袴の着こなしは、地域や学校によって差がありますので、卒業式で何を着るかを決める前に、職場の先輩に話を聞いたり、過去の卒業式の写真を見たりして確認しておくと良いでしょう。
先生に定番&人気の袴スタイルとは
学校の先生方に選ばれる袴には、幅広い層から高い支持を集める定番のスタイルや人気のスタイルがあります。はじめて袴姿で卒業式に臨む先生、どんな袴や着物にすればいいのか分からない先生はぜひ選び方の参考にしてみてください。
色無地+単色の袴
先生が卒業式で袴を着用する場合、この組み合わせが最も多く見られるものです。色無地は黒以外の色に染められた柄のない着物。柄がないためキリッとすがすがしい印象になります。着物は明るい色でも渋い色でもかまいません。袴の色とのバランスを考えて選びます。着物と袴の色をコントラストのある反対色にするとハツラツとした愛らしい雰囲気に、同系色の濃淡の組み合わせにすると、シックで落ち着いた雰囲気になります。
訪問着か小振袖+単色の袴
色無地以外の着物では、訪問着や小振袖といった柄の入った着物を袴と合わせます。大胆で華美な色柄は控え、落ち着いたトーンの色、繊細で上品な雰囲気の柄を選ぶと良いでしょう。
なお、小振袖は未婚女性が着用する着物なので、その点をご注意ください。
袴はシンプルなもの
袴の色は紺色、紫色、エンジ色などが定番です。他にも、緑やグレー、黒といった色も人気があります。
最近では袴のデザインもバリエーションが豊富になり、刺しゅうなどで柄が入ったもの、裾にかけてグラデーションになったもの、織りで柄を施したものなどがありますが、やはりシンプルで落ち着いたデザインの袴が着物とも合わせやすく、安定して支持されています。
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ヘアメイク、小物などにも配慮を
先生が袴姿で卒業式に臨むとき、どんな小物使いやヘアメイクをしたらいいのでしょうか?注意したいポイントや選び方のヒントをご紹介します。
ヘアスタイル
自分のお祝いではないので、派手な髪型は避け、自然で清楚な雰囲気を心がけましょう。長い髪ならアップにして、着物の衿とあごのラインが見える方がバランスよく袴姿が引き立ちます。お辞儀をするたびに髪をかきあげなくてすむよう、髪を下ろす場合もハーフアップにするなど工夫が必要です。
ヘアアクセサリー
髪飾りはつけないか、つけても1つを控えめに飾るのが良いでしょう。お辞儀をする機会が多いので、あまり大きなものをつけると重さでズリ落ちてくる可能性もあります。
メイク
メイクはあまり気合いを入れすぎず、いつもの通りか、少しだけ華やかにする程度でOKです。
小物
雰囲気が統一されるよう、全体のバランスを考えた選び方をしましょう。重ね衿は控えめな色合いのものが向いています。また、袴の足元といえば大正時代の女学生のような編み上げブーツのイメージですが、草履を履くのが正式です。足袋は白を合わせましょう。
最後に
一生に一度の卒業式に、先生が袴姿で送り出してくれたことを、生徒たちはよく覚えているものです。学校や地域によってどんな袴姿が良いのかは変わってきますので、職場の先輩に聞いたり、過去の卒業写真を参考にしたりして、ご自身にはどんな袴姿がふさわしいかイメージしてみましょう。