色留袖の着付けにはさまざまな小物が必要になります。親族の結婚式などで、礼装用として色留袖を着る際には、帯以外でどのような小物を用意したら良いのか、基本の着付け用小物をご紹介します。
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着物の着用前に使う小物
色留袖を着る前に身につける肌着や小物類をご紹介します。半衿など縫い付けるものもあるので、余裕をもって準備に取りかかりましょう。
肌襦袢
肌に触れるところに直接身につける下着です。肌ざわりが優しいだけでなく、吸水性に富んでいるため、大切な色留袖が汗を吸ってしまうのを防ぐ役割があります。裾よけを必要とする上下に分けて着用するセパレートタイプと、1枚だけで着用するワンピースタイプのものがあります。
長襦袢
肌襦袢の上に重ねて着る長襦袢は、色留袖のインナーとしての役割があります。正装として色留袖を着用する場合は、色のついたものではなく、白の長襦袢をあわせます。
半衿
着物の衿元から見える部分です。半衿は、着用前に長襦袢に縫いつけておく必要があります。柄物、色物などおしゃれなものが多くありますが、正装として色留袖を着用する場合は、長襦袢と同じく白をあわせるのがマナーです。
衿芯
主に薄いプラスチック製のものが一般的です。細長い板のような形状で、着用直前に半衿の中に通すと、衿元がピシッと決まります。
腰紐
長襦袢や着物を留めたり、おはしょりを調整したりするため、帯を締める前に使います。使う本数は人によってさまざまですが、4~6本あれば大丈夫です。
伊達締め
腰紐よりも太いベルトのような巻物で、衿あわせが動かないように留める役割があります。普段着のラフな和装では1本で済ますことも多いですが、改まった場で着る色留袖では、長襦袢と着物、両方に使用するため2本使います。
足袋
カラフルなものもありますが、色留袖を正装として着用する際は白足袋を用意します。着物を着付け終わってからでは履きにくいので事前に履いておきましょう。
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着物の着用後に使う小物
ひと通り着物を着付けた後、より美しい着姿に仕上げるために必要な小物についてご紹介します。
帯枕・帯板
帯枕は帯の結び目の中で帯の形をふっくらと整える小物です。帯板は帯の正面側に入れることで帯にしわが寄るのを防ぎ、ピシッと決まった形をキープします。
帯揚げ・帯締め
小さな面積ですが着こなしのポイントとなる帯揚げと帯締め。色留袖を着用する場合は、どちらも色は白が基本ですが、金糸や銀糸が入ったものを使っても華やかです。
帯揚げは、帯枕が見えないように包む布ですが、装飾の意味合いもあり、帯の上部に少しだけ見えるように着付けます。留袖では綸子(りんず)や総絞りがよく使われます。帯締めは帯の上にしっかりと締める紐。帯を固定するだけでなく装飾の役割もあります。色留袖に使用する場合は平打、丸組、丸ぐけがあり、最近は平打を使用するのが一般的です。
末広(扇)
装飾用の扇は末広がりで縁起が良い形から「末広」と呼ばれています。金もしくは銀の地紙で黒塗りの骨が一般的で、広げて使うのではなく、色留袖を着付けたあと、帯の左側にチラリとのぞく程度に挿して使用します。
草履・バッグ
色留袖を着用する際にあわせるバッグと草履はセットになっているものを使うと良いでしょう。金や銀を基調とした礼装用のものが一般的です。草履は鼻緒と台が同じ色のものを選びます。
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必要に応じて使う小物
そのほか、必要に応じて使う小物をご紹介します。着用される方の体型や、着付けのやり方によるので、それぞれでご判断ください。
タオル
着付けの前に、ご家庭にあるフェイスタオルなどで体型を補正して、ウエスト周りのくびれをなくしストレートな着物らしいラインに整えます。スタイルの良い方は多めに用意した方が良いかもしれません。
コーリンベルト
コーリンベルトは着物の襟元を左右の内側に引っぱり、襟元の崩れを防ぐためのゴム製のベルトです。必ず必要というわけではありませんが、腰紐と比べると、伸縮性があるため圧迫感が少なく長時間着物を着ていても楽なのが特徴です。
最後に
礼装用としての色留袖の着付けに必要な小物をご紹介しました。これとは別に、一つ紋で比翼のない色留袖を訪問着のように使う場合は、ワンポイントが付いた半衿などの小物で華やかに着こなすことも可能です。