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お宮参り

動画でわかる、お宮参りの産着(祝い着、掛け着)の着せ方

動画でわかる、お宮参りの産着(祝い着、掛け着)の着せ方

赤ちゃんが誕生した際、おおよそ生後1ヶ月頃(地域によって差異あり)に土地の氏神様にその誕生を奉告し、健康を祈願する「お宮参り」を行うのが古くからの慣習です。この時に着用する、赤ちゃんの正式な服装は白羽二重(しろはぶたえ)の内着に産着(祝い着、掛け着)を掛けた和装ですが、はじめて着せるお母さんも多く、着せ方に不安を感じる人も多いはず。そこで、自宅でも練習しやすいよう産着の着せ方を解説する動画をご用意しました。手順や着せ方のポイントも解説していますので、動画とともにご覧ください。

(※この記事は2020年10月30日に公開したものを加筆修正しました。)

目次

産着(祝い着、掛け着)はどんな着物?基本的な情報について

お宮参りに必要な衣装&小物と準備の際の注意点

産着(祝い着、掛け着)の着せ方

産着(祝い着、掛け着)をきれいに着せるためのポイント

産着(祝い着、掛け着)はどんな着物?基本的な情報について

産着は、祝い着や掛け着と呼ばれることもある着物で、お宮参りをする赤ちゃんの正装です。実際には、赤ちゃん本人に着付けるのではなく、赤ちゃんを抱っこした人の上から覆うように羽織り、その人の背中側で紐を結んで固定するように着用します。一般的には、男の子の場合は生後31日〜32日目、女の子の場合は生後32日〜33日目にお宮参りを行うとされていますが、絶対的なルールではないので、気候や体調に合わせて行なって構いません。各ご家庭のお宮参りのスケジュールに合わせて産着を準備されると良いでしょう。

お宮参りの産着

産着の由来とそこに込められた想い

今ほど医療が発達していなかった時代、乳児の死亡率は当然高く、生まれて間もなく亡くなる赤ちゃんも少なくありませんでした。昔の人々はその理由を魔物や悪霊のせいと考え、そういったものの目が赤ちゃんに向くのを避けるため、あえて地味な衣服、粗末な衣服を着せていたと言われています。そんな中、無事に1ヶ月を過ごせたことは大変有り難く喜ばしいことであり、その際に初めてきれいな着物を着せたのだそうです。この、命を尊ぶ想いが詰まった特別な着物が産着の由来であり、その意味合いから「初着」と書かれることもあります。

産着によく見られる柄

産着(祝い着、掛け着)には様々な柄が描かれますが、よく使われるのは、古くから礼装用の着物や帯に用いられてきた縁起のよい吉祥文様です。ただし男の子向けと女の子向けでは傾向が異なり、男の子向けは兜や鷹、龍といった勇壮で威厳のあるモチーフがよく描かれます。一方、女の子向けは御所車、毱、鈴など気品ある優雅なモチーフが描かれます。なお、柄にはそれぞれ意味があり、例えば大切な頭を守る兜には、男の子が邪気や災難から守られますようにという願いが、皇族や貴族の乗り物だった牛車を表す御所車には、女の子が玉の輿に乗れますようにという願いが込められています。このように由来や意味を知った上で、お子様への願いを込めた柄を選ぶのも素敵ではないでしょうか。色々な柄の意味については、以下のページでご紹介していますので産着選びの参考にしてみてください。

男の子の産着の柄
女の子の産着の柄

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産着の準備の進め方について

お宮参り用に産着(祝い着、掛け着)を準備するとなった場合、購入するか、レンタルするかが主な選択肢となります。赤ちゃんの兄姉や、パパやママが赤ちゃんの時に着用した産着がある方は、それらを活用するのも良いでしょう。レンタル衣装がなかった時代は、母方の祖父母が産着を用意して贈るのが風習(地域によっては父方の祖父母の場合も)でしたが、現代ではその風習も薄れており、パパママが用意する場合も多いようです。ですが、孫のために!と祖父母様が張り切っていらっしゃるケースもありますので、用意の際は一度ご相談されると良いでしょう。なお、ご購入の場合もレンタルの場合も、店舗に出向き実物の衣装を見ながら選ぶ場合と、ネットショップで衣装の掲載写真を見ながら選ぶ場合が考えられます。衣装選びをされる方、費用を負担する方のご都合もあると思いますので、この点もご家族で事前に相談されておくと良いでしょう。購入かレンタルかのご検討は、以下のページでご紹介するそれぞれのメリットや相場を参考になさってください。チェックすべきポイントも合わせてご紹介しています。

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なお、赤ちゃんの衣服も多様化している現代では、和装の産着(祝い着、掛け着)ではなく、セレモニードレスやベビードレスと呼ばれるフォーマルな洋装のスタイルでお宮参りをするご家庭もあります。必ずしも和装である必要はありませんが、神社という神聖な場所への参拝ですので、和装であっても洋装であっても、改まった服装で臨むようにしましょう。

お宮参りに必要な衣装&小物と準備の際の注意点

お宮参りでは赤ちゃんが羽織る産着(祝い着、掛け着)のほかにも用意する衣類があります。加えて赤ちゃんの健やかな成長を祈るため、縁起のよい小物を吊るす習わしもあります。ここでは一般的なお守り袋と犬張子、でんでん大鼓としていますが、地方によっては末広(扇子)や五円玉などを吊るすところもあるので、事前に親戚や神社などで確認しておくとよいでしょう。

産着とお祝い着を着ている男の子の赤ちゃん

産着(祝い着、掛け着)

縁起の良い柄が描かれた、お宮参り用の晴れ着です。色については、男の子向けは黒、白、紺など、女の子向けは赤、ピンク、白などが多く見られますが、近年は色や柄などデザインのバリエーションが実に多彩です。

手配時の注意点
産後1ヶ月はあっと言う間なので、購入でもレンタルでも早めに手配をしておくと安心です。兄姉が着た産着を利用される場合は、シミなどのクリーニングが必要な場合もあるので、時間に十分余裕があるうちに確認しておきましょう。なお産着には、一年を通して着用できる「袷(あわせ)」のタイプと、通気性がよく夏でも涼しく着用できる「単衣(ひとえ)」や「絽(ろ)」のタイプがあるので、お宮参りの時期に応じて選ぶと良いでしょう。

着用前の注意点
産着は、赤ちゃんを抱っこした人の背中側で紐を結んで固定するのが一般的です。紐は産着の両袖に通して使いますが、産着によっては、この紐が付いていないものがあります。その場合は紐を単品で購入し、産着に縫い付けておきましょう。またお宮参りの前日には、産着についたシワを伸ばすために、着物ハンガーに吊るしておきましょう。着物の素材はデリケートなので、直接日光が当たる部屋ではなく、暗めの部屋が向いています。この際、産着にしつけ糸が残っている場合は切っておきましょう。なお、着物ハンガーに吊るす時間が長すぎると、産着の形が崩れてしまうので、前日だけに留めておきましょう。

内着

産着(祝い着、掛け着)の下に着る衣類です。本来は白羽二重(しろはぶたえ)を着るのが本式ですが、赤ちゃんにとって負担のないように着慣れたロンパースやカバーオールなどの洋装でも大丈夫です。当日の天気や気温なども見ながら衣類を調整しましょう。

準備の際の注意点
赤ちゃんは体温調節機能が未熟なので、外気温の影響を大きく受けます。お宮参りを行う時期に合わせて、暑さ対策・寒さ対策を講じましょう。ただし屋内の場合は、多くの場所にエアコンがあるため、屋外との気温差が大きくなりがちです。場所に応じて対処できるよう、重ね着で調整すると良でしょう。また、着脱がしやすいように前開きタイプの衣服を選ぶと良いでしょう。

帽子

生まれて1ヵ月の赤ちゃんの肌はデリケートです。外出にあたり日差しや風などから守るために着用します。和装なので大黒帽子という頭巾状のものをかぶるのが正式ですが、洋装用の帽子でも大丈夫です。産着を着る前にかぶらせておきましょう。

準備の際の注意点
赤ちゃん用の帽子も、最近はさまざまなデザイン、機能性のものが展開されています。普段お使いになる帽子であれば、どれを選んでも差し支えありませんが、お宮参りの場合は、その意味合いや場所柄を考慮すると、カジュアルでラフなものより、少し改まったフォーマル感のあるものがふさわしいと言えるでしょう。

よだれかけ

赤ちゃんのよだれで産着(祝い着、掛け着)が濡れるのを防ぐ役割があります。産着を着る前にかけておきましょう。

準備の際の注意点
赤ちゃんは、母乳やミルクを吐き戻すことも多いので、よだれだけでなく、吐き戻しの対処も考えておきましょう。少しの量であれば、よだれかけでカバーできると思いますが、タオルなども準備しておくと安心です。神社までの移動時は普段使っているよだれかけ、参拝の際はお宮参り用に準備したよだれかけ、と使い分けるといいかも知れません。

産着、帽子、よだれかけ

お守り

産着(祝い着、掛け着)の紐に吊るす、房飾りがついた小さな巾着状のお守りです。着物の色に合わせるか、男女兼用できる白などがあります。

犬張り子

大正時代まではお祝いとして、親戚から犬張り子にでんでん太鼓を生麻で結びつけたものいただく風習がありました。犬張子には子供の成長が早い犬になぞらえ、赤ちゃんが子犬のように元気に育つようにという成長祈願の意味があります。お守り袋と同じく、産着(祝い着、掛け着)の紐に結びつける縁起物です。

でんでん大鼓

太鼓の鳴る音が魔除けになるとされ、また太鼓が裏表ないことになぞらえて“裏表のない子供に育つ”という願いが込められたでんでん大鼓。お守り袋と犬張子同様、産着(祝い着、掛け着)の紐に結びます。当日は鳴らすと赤ちゃんの気を引くことができるので、ご機嫌よく過ごしてもらうためのアイテムとしても使用できます。

小物

(参考)晴れ着の丸昌 横浜店では、でんでん大鼓と犬張子の無料レンタルサービスを行っています。

https://haregi-rental.com/omiya/news/630

産着(祝い着、掛け着)の着せ方

産着(祝い着、掛け着)を着せるための方法をわかりやすく動画にしました。着用の手順は動画をもとに解説します。

1.着せる前の準備

産着(祝い着、掛け着)を和装用のハンガーに吊るすか畳などに平置きして、作業をしやすい状態にします。産着についている紐を重ねて左右それぞれの袖の中へ一緒に通します。

祝い着の準備

2.羽織らせる

赤ちゃんに帽子やよだれかけを着けてから抱っこします。産着(祝い着、掛け着)を着せかける人はさきほど通した紐を持って、後ろから産着をそっと包むように羽織らせます。産着を赤ちゃんの顔と反対側の方にかけたら、肩の後ろあたりで蝶々結びにして整えます。

羽織らせる

3. 小物をつける

背中の左側にくる紐の部分にお守り袋をつけます。ほかにも縁起がよいとされる、でんでん大鼓や犬張子を同じように結んで背中に吊るしていきます。

小物をつるす

動画:産着(祝い着、掛け着)の着せ方

産着(祝い着、掛け着)をきれいに着せるためのポイント

 

手順のほかにも次のポイントを抑えておくと、産着をきれいに着せることができます。

ポイント1:神社についてから着せる

車や電車で移動するタイミングから着用していると、汚れやシワができる恐れがあります。紐を通すところまでは事前に家で済ませておき、産着(祝い着、掛け着)を羽織らせるのは神社についてからにするのがおすすめです。

ポイント2:柄の位置に気をつける

男の子は強くたくましいイメージの鷹や兜、龍、女の子は華やかで上品な手毬や御所車、鼓などの柄が美しくあしらわれた産着(祝い着、掛け着)。羽織らせたら柄がきちんと見えるか、正面から確認して紐を結んで固定しましょう。

ポイント3:事前に練習する

お宮参りの前日までに、ひととおり着用の練習をしておくと当日になって焦らなくて済みます。ただ羽織るだけだといっても、産まれて間もない赤ちゃんのこと。まだ首も据わっていないので、思っているよりも案外難しいものです。動画の手順に沿って羽織らせてみて、柄の位置を確認したりじゅばんがはみ出てしまっていないか確認します。紐の結び方がゆるくないか、またはキツすぎないか力の加減も確認しておきましょう。

まだ赤ちゃんの首が座っていない時期ということもあり、よだれかけは参拝中など無理に産着(祝い着、掛け着)から出さなくても大丈夫です。スタジオでの家族写真の撮影などの時にだけ、赤ちゃんに無理のない範囲で顔を少し正面にみえるように抱っこして、よだれかけを産着から出すと、写真映りが良いでしょう。

 

最後に

赤ちゃんのお宮参りは一生に一度きりの大切な儀式。上手に産着(祝い着、掛け着)を着るポイントを押さえて練習すれば、本番の日もつつがなく終えられるはず。ハレの日に用意した素晴らしい産着で、記憶に残る素晴らしい一日になりますように。

母親お宮参り

晴れ着の丸昌ではお宮参りに必要な赤ちゃんの産着(祝い着、掛け着)はもちろん、参列する両親や祖父母の礼装もご用意できます。和装の場合、両家の格を合わせることが大切ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

▼丸昌 横浜店 産着(祝い着、掛け着)はこちらから

https://haregi-rental.com/omiya/

※こちらで紹介した内容は、2023年12月の情報です。

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