昼に着用する最も正式な礼装であるモーニングコート。普段着慣れたビジネススーツのように着られそうな気がしますが、いざ着てみると勝手が違うことも多く戸惑う人が多いのです。今回は動画をもとに、自分一人でモーニングコートを着る方法を解説。着方だけでなく、ビジネススーツと違って着用時に気をつけるべきポイントについてもご紹介します。
モーニングコートの着付けに必要なもの
モーニングコートを着るにあたっては、上着やズボンに合わせる小物にも様々な決まりごとがあります。モーニングコートを貸衣装で借りると、フルセットで用意がある場合とモーニングコート、ベスト、ズボン以外の小物類は自分で用意しなければならないこともあるので、順に見ていきましょう。
ワイシャツ
結婚式にモーニングコートを着る場合、白のワイシャツで襟は立衿(ウイングカラー)か普通衿(レギュラーカラー)を選びます。ただし、襟のタイプはバランスをとるため両家で揃えるのがおすすめです。叙勲や園遊会では普通衿(レギュラーカラー)を着用する方が多いです。
ネクタイ
ネクタイは白黒の縞柄かシルバーグレー系の縞柄を選びます。
アームバンド
袖の長さが合っている自分のワイシャツを着用するなら不要です。ワイシャツもレンタルする場合、袖(裄丈)を長めに作っていることがあります。自身の腕の長さに合うよう調整できるアームバンドも用意しましょう。
カフリンクス(カフスボタン)
シャツの袖にはシルバーやゴールドの台に白蝶貝や真珠をあしらったカフスをつけます。
サスペンダー
モーニングコートで着用するズボンは、サスペンダーが必須です。美しく着るためには、黒または白黒の縞模様のサスペンダーで体に合うよう調整しましょう。
手袋
一般的には白い布製の手袋を用意します。
ポケットチーフ
胸ポケットにポケットチーフをスリーピークという挿し方で挿します。白麻の無地のものを選びます。
靴下
靴下は白黒の縞模様が基本。もしくは黒い無地を選びます。
靴
黒革カーフの紐結び、ストレートチップの内羽根式を用意します。
このように、モーニングコートは着用するアイテムが決まっているため、誰が着てもあまり差が出にくい衣装です。ただし、サイズ選びを間違えると大きな差が生じます。格式の高い衣装であるがゆえ、サイズが合っていないものを着用すると、だらしない印象や野暮ったい印象を与えてしまうからです。モーニングコートをレンタルまたは購入する場合は、ご自身の身体のサイズを正しく把握した上で、ジャストサイズのものを選び、衣装の品格にふさわしいスタイリッシュな着こなしになるよう心がけましょう。
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モーニングの着方
モーニングコートを一人で着るための方法をわかりやすく動画にしました。着用の手順は動画とともに解説します。
1.ワイシャツを着る
表側からボタンが見えない「隠しボタン」になっているので、鏡を見ながら必ず第一ボタンもしっかり留めてください。
次に腕の長さに合わせて、袖口が手首の出っ張った骨の位置にくるようアームバンドで調整したら余分なシャツの丈はアームバンドに被せて整えます。
2.カフスボタンをつける
留め金をT字からI字の状態にして袖口のボタンホールに挿し込み、再びT字に戻します。
3.ズボンを履く
サスペンダーはズボンを履く前に取り付けます。
靴下を着用後、靴は履いていない状態でズボンを履いたら、サスペンダーでズボンの裾が床すれすれの高さになるよう丈を調整してください。
4.ネクタイを結ぶ
立衿のワイシャツには、背中にネクタイを通すループがついています。ネクタイをここにくぐらせてから、やや長めに結んでズボンの中に入れます。
5.ベスト・上着を着る
ベストを着用したらボタンはすべて留めます。上着を着る前に、チーフは下半分を折って
予め挿し込んでおきます。
上着のフロントボタンは「拝み合わせ」の形状になっているので、羽織ったらボタンを内側から通して、前から見た時にふたつ並んだ状態になるようにします。ワイシャツの袖は上着から1~1.5cmくらい見えるよう整えてください。最後に手袋を左右合わせて軽く手で握ります。
一連の着方を詳しく動画で解説しています。本番当日前に、動画を見ながら一度自分で着てみましょう。一通り勝手がわかっていると、当日焦ることなく着られるので安心です。
【モーニングコート】ひとりで着られる! 着用の手順
きれいに着るためのチェックポイント
上記の着方と併せて、事前に着こなしのポイントも押さえておきましょう。次のことに注意しながら着ると、上手に着こなせます。
ポイント1:ワイシャツの第一ボタンを留める
モーニングで着るワイシャツは、自分では見えづらい隠しボタンになっているので留めるのを忘れてしまう人も……。鏡を見ながら第一ボタンをしっかり留めましょう。
ポイント2:ウエストの左右アジャスターは、左右を同じ幅に揃える
サイズ調整のためについているズボンのウエストのアジャスター。調整する時には右だけを大きく出すと、正面がズレてしまいます。左右を同じ幅に揃えて調整しましょう。
ポイント3:サスペンダーはタックの延長上にする
タックの延長線上につけることで、ズボンに余計なシワができません。
ポイント4:衿のループにネクタイを通す
自分では見えにくいのですが背面についている衿のループに、必ずネクタイを通します。モーニング用で着る立衿のワイシャツはネクタイを抑える衿がありません。ループに通さずに締めてしまうと、着用中にズレてきてしまいます。
ポイント5:ネクタイを長めに結んでズボンに入れる
ベストの下からネクタイが出ると不格好になってしまいます。ベストを着る前にネクタイをしっかりズボンの中に入れておきましょう。
お役立ち情報:お手洗いに行く時
モーニングの着方だけでなく、着用中の注意点もあります。例えばお手洗いに行って用を足す時、上着とベストを着たままズボンからサスペンダーを外してしまうと、着崩れの原因になってしまいます。お手洗いでは、まず上着とベストを脱いでサスペンダーはズボンから外さずに、取り付けたまま肩からずらしてズボンを下ろすようにしましょう。
最後に
慶事に連れ添う母親の留袖は着付け担当がいても、父親は自分ひとりで着る必要があります。初めてでも失敗しないよう、着付けのポイントを押さえつつ動画を見ながらパリッと着こなしてください。
晴れ着の丸昌では、モーニングに必要なワイシャツやネクタイ、サスペンダーなどの小物類を一式レンタルできるプランが手軽で便利と好評です。サイズ選びに不安がある方は店頭でご試着も可能です。モーニングを着る時のポイントもスタッフが詳しくご説明いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。