叙勲や褒章、さらに皇居への参内、天皇陛下への拝謁といった経験は大変名誉なことだけに、服装もしっかり整えておきたいものです。ここでは、叙勲や褒章で皇居へ参内する際の服装についてご紹介します。
叙勲、褒章の際のドレスコードとは?
叙勲、褒章を受ける人と同伴者は、皇居への参内や天皇陛下への拝謁がありますので、服装は宮中のしきたりを考慮した装いが必要と言えるでしょう。具体的には、受ける叙勲によって服装の着用規程があり、その内容に従います。
大勲位菊花章頸飾・大勲位菊花大綬章・桐花大綬章・旭日大綬章・瑞宝大綬章というような、天皇陛下から宮中で直接親受される勲章の場合、男性は燕尾服、女性はローブデコルテ(イブニングドレス)またはローブモンタント(ロングアフタヌーンドレス)を着用します。この場合、着物の着用は認められていません。
文化勲章・旭日重光章・瑞宝重光章・旭日中綬章・瑞宝中綬章、小綬章・双光章・単光章の場合は、男性はフロックコートかモーニングコートまたは紋付羽織袴を着用し、女性はローブモンタントまたは色留袖を着用します。
小綬章・双光章・単光章の場合も同様の装いが望ましいですが、勲章等着用規程には「平服を着用することもできる」あります。この場合の平服は普段着という意味ではなく、準礼装のことを指します。
ご主人に同伴される奥様の場合も同様のドレスコードとなりますので、格を合わせた装いをされてください。
正礼装のモーニングコートとは?
モーニングコートは、男性の昼用の正礼装です。結婚式では新郎・新婦の父親の衣装として着用されます。
基本は黒い上着とベスト、グレーの縦じまのスラックス(コールズボン)のセットで、スラックスの裾はシングル。上着は前の裾が斜めに大きくカットされた形が特徴です。ベストは共布の黒が多いですが、グレーの場合もあります。
このように、モーニングコートはスタイルが決まっているので、誰が着てもあまり差がつかない衣装ですが、サイズ選びだけは重要です。格式の高い衣装であるがゆえに、サイズが合っていないものを着用するとだらしなく見えてしまい、衣装の品格にふさわしい端正で美しい着こなしにならないからです。
モーニングコートをレンタルまたは購入する場合は、ご自身の身体のサイズを正しく把握した上で、ジャストサイズで美しく着こなせるものを選ぶようにしましょう。
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モーニングコートに合わせる小物について
モーニングコートを着用する際に必要な小物についてもご紹介します。
シャツは普通衿か立衿ですが、大半の方は普通衿を着用されるようです。袖口はダブルカフスが基本です。ネクタイはモノトーンのストライプが基本ですが、朱子織り(サテン)のシルバーグレーの無地を合わせることも多いようです。ポケットチーフは白の麻でスリーピーク(三つ山)にし、手袋も白で統一します。シューズは黒の紐靴、ストレートチップまたはプレーンタイプが正式です。
最後に
叙勲や褒章で皇居へ参内するというのは、特別な機会だけに何を着たら良いか戸惑うことも多いでしょう。迷ったらフォーマルウェアの専門家に相談してみるのも、方法のひとつです。お祝いの気持ちを装いに託して、栄誉ある式典に臨みましょう。