結婚式で、親族や仲人など、ゲストをお迎えする立場で着る黒留袖。立場や年齢にふさわしいメイクや髪型、立ち居振る舞いに気をつければ、黒留袖をより上品に美しく着こなすことができます。
黒留袖を引き立てるメイク
和装、特に結婚式の黒留袖の場合、ナチュラルメイクではお顔が着物の存在感に負けてしまいがちです。なので、いつもより少しだけ華やかなしっかりメイクを心がけましょう。とは言っても、洋装でドレスアップする時と同じようなメイクでは黒留袖に合わない場合もあるため、次のことに注意してみてください。
ベースは美白
黒留袖を着る時は、肌の色に対してワントーン明るめの色のファンデーションがきれいに映えます。ですが、首の色と差がつくほどの明るすぎるものはNGなので、バランスを見極めましょう。また、顔を立体的に見せるメイクではなく、平坦な印象のメイクのほうが合います。全体的にパールやラメの使用は控えめにし、つや肌ではなくマットな質感に仕上げると上品な雰囲気に仕上がります。
リップは赤系
口紅は普段より赤めの色で華やかに。鮮やかな赤色に抵抗がある場合は、ローズ系やブラウン系のレッドを使うと良いでしょう。上品で落ち着きのある優しい印象になります。
アイラインを太めに
目元のメイクは、アイシャドーの色味ではなく、アイラインを少し太めに描いて強調するのがおすすめです。この時、目尻を直線的に描くほうが黒留袖にマッチします。眉は眉山を強調するのではなく、丸みを持たせてふんわりと描くと、優しい印象に仕上がります。
黒留袖に合う髪型やアクセサリー
最も格が高い黒留袖を美しく着こなすためには、装いに応じた髪型やアクセサリーのマナーを守ることも大切です。以下の内容を参考にしてみてください。
髪型
和装の場合、髪型はアップスタイルが基本です。もちろん黒留袖も同じですが、結婚式ではお辞儀で頭を下げることが多いので、髪が落ちてこないようにまとめるのがポイントです。全体的にボリューム感を出したほうが、全身のバランスが良くなります。ヘアアクセサリーは、べっ甲のかんざしやパールのピンなど、上品な本物を選ぶと、黒留袖をより美しく引き立ててくれます。
アクセサリー
黒留袖をはじめとする和装は、アクセサリー類はつけないのが基本ですが、結婚指輪は外さなくても構いません。普段ピアスをしている人は、黒留袖を着用している間だけでも外しておく方が無難と言えそうです。腕時計は時間を気にしているように見えるので、つけないほうがベターです。
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黒留袖にふさわしい立ち居振る舞い
洋服とは違い、和装の際は普段どおりの所作であっても、着崩れにつながる場合があります。特に、格式の高い黒留袖で着崩れすると目立ってしまいますので注意が必要です。着崩れしないように始終気にかけるのは何かと不自由に感じられるものですが、それが和装ならではの品のある動作や、美しい立ち居振る舞いに通じます。着崩れの原因になりやすい以下の所作だけでも心がけてみてください。
歩行時、階段の昇り降り
黒留袖など和装で一番乱れやすいのが裾です。歩く時や階段の昇り降り、車の乗り降りの際にはとくにご注意を。歩幅は小さめを意識してゆっくりと歩くのがポイントです。この時、右手を上前に添えておくと、裾が開くのを防ぐことができます。また、軽く持ち上げると歩きやすくなります。もし、うっかり裾が広がってしまった場合には、着崩れがひどくならないよう帯の下に下前を少したくし込んでください。
椅子に座る時
着席の際はもちろん車に乗る時なども、座る際は、腰から座るようにすると裾が乱れるのを防げます。また、椅子の手前から3分の2程度のところに座り、背筋を伸ばして背もたれに寄りかからないようにするのがポイントです。寄りかかるとせっかくの帯が崩れてしまうのでご注意を。
手をあげるときやモノを取る時
手を上げたり伸ばすときには、反対側の手でたもと(袖)を押さえます。袖口から腕が大きく露出したり、長襦袢が覗いたりするのを防ぐだけでなく、テーブルのグラスやお食事のお皿など、近くにあるものに袖が触れて倒れたり、汚れたりするのも防げます。
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最後に
黒留袖を着た際のメイクや髪型、立ち居振る舞いの基本についてご紹介しました。マナーを守って品良く着こなせば、美しさがより引き立つはずです。